『子宮頸がん』という病気を誰しも聞いたことがあると思います。
子宮頸がんとは、どんな病気か、詳しいことは分からない方が多いのではないでしょうか。
どのような病気なのか、原因や予防も含めて説明していきます。
子宮頸がんってどんな病気?
子宮頸がんとは、子宮の入口に発生するがんのことです。
このがんは、初期段階では自覚できる症状がほとんどなく、気づかないうちに進行してしまうことが多いです。
また、子宮頸がん(上皮内がんを含む)は発症年齢のピークが女性の出産年齢と重なります。
子宮頸がんはウイルスが原因ってホント?
子宮頸がんは、主にヒトパピローマウイルス(HPV)というありふれたウイルスの感染が原因です。
HPVは性交渉での感染がほとんどで、性交渉のある女性なら誰でも感染する可能性のあるウイルスといわれてます。
20代でもかかる病気?
子宮頸がんにかかる女性の約15%が20~30代です。
子宮頸がんになる前段階の上皮がんを含めると薬38%が20代〜30代となっています。
また、上皮内がんを含む子宮頸がんの場合、発症のピークが女性の妊娠・出産年齢と重なることもあり、女性にとって深刻な病気だといえます。
子宮頸がんの症状とは?
通常初期にはほとんど自覚症状が出ないことが多いですが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。
・月経以外の時期や性交渉の際に出血する
・おりものの色や量、匂いが変わる。
特に、茶色や黒っぽいおりものや、膿のようなおりもの、水っぽいおりものや粘液が多く出る
・下腹部や腰、背骨、下肢などに痛みがある
・下肢(足)にむくみができる
どうやって発症・進行するの?
子宮頸がんを引き起こすリスクの高いHPVに感染しても免疫機能がはたらいて、ほとんどが身体の外に出されるため、感染したらかならずしも「がん」になるわけではありません。一部残ったウイルスの感染が続くと、細胞が異常な変化を起こして前がん病変になります。
ただし、ウイルスがいなくなれば正常な細胞に戻る可能性もあります。
この段階では、自覚できる症状がないため、検診を受けないと進行の度合いはわかりません。
やがて、この異常な細胞が数年~数十年くらいかけてがん細胞になってから、ようやく症状が出てきます。
子宮頸がん予防のHPVワクチンってなに?
子宮頸がんの多くは、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によって引き起こされるため、HPVワクチンを接種することで感染を防ぐことができます。
子宮頸がんの一部は検診では見つけにくいため、できるだけ早く接種することが望ましいです。
HPVワクチンの種類
国内で承認されているHPVワクチンには2価、4価、9価の3種類があります。
・2価ワクチン・・・子宮頸がんの主な原因となるHPV-16型と18型に対応
・4価ワクチン・・・16型・18型と、良性の尖形コンジローマの原因となる6型・11型の4つの型に対応
・9価HPVワクチン・・・16型・18型・6型・11型に加え、さらに5つの型(31/33/45/52/58型)に対応
当院ではシルガード9®(9価HPVワクチン)を採用しております。
HPVワクチン接種の注意事項
注射の痛みや怖いという気持ち、興奮などによるさまざまな刺激がきっかけとなって、めまいやふらつきを起こしたり、気を失うこと(失神)があります。これは、心拍数や血圧が下がることが原因で、通常は横になって安静にするだけですぐに回復します。注射が苦手な方や、怖いと感じている方は事前に医師へ伝えましょう。
接種後にめまいやふらつき、失神などが起きることがあります。転倒してけがをしないように、次の3つの注意事項を守ってください
*接種後に診察室から待合室に移動するときには、看護師や保護者の方に腕をもって付き添ってもらってください。
*接種後30分程度は、背もたれやひじ掛けのあるイスなど、体重をあずけられるような場所で待っていてください。
*待っている間は、なるべく立ち上がることを避け、座ってください。
また、一般的にワクチンを接種すると、接種した部位が赤くなったり腫れたりすることがあります。これは、体の中でワクチン成分に対する反応が起こるための症状で、通常は数日程度で治まります。
長く続くなど、気になる症状がある場合は医師に相談してください。
ワクチン接種と検診は両方必要?
ワクチン接種と検診は、子宮頸がんの予防においてそれぞれ異なる役割を果たします。
そのため、どちらも欠かさずに受けることが大切です。
ワクチン接種は「1次予防」と呼ばれ、子宮頸がんの原因となる2~7種類のHPVの感染を防ぐことができますが、全てのHPV感染を防ぐことは出来ません。
検診は「2次予防」と呼ばれ、HPVに感染しても子宮頸がんになる前の状態やがんの早期段階を見つけることができます。
子宮頸がんやワクチン接種に関するお困り事やご不明点がございましたら、こちらまでお問い合わせください。
子宮頸がん検診に関するページはこちら
ワクチンに関するページはこちら
正しい知識で子宮頸がんを予防して、安心な日々を過ごしましょう。
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